裁量権の大きなMRの仕事

どうしてMRの仕事には責任感が大事なのかを理解するために、まずはMRの仕事内容をよく見てみましょう。医薬品の営業を行うMRは業務時間の大半を病院への訪問や医師とのアポイントメント、そして新たな医薬品に関する勉強や情報収集などにあてています。そしてここが重要なのですが、特に病院回りをして過ごす時間が長いので、ほとんど会社に立ち寄らず直行直帰も珍しくありません。つまり普通の会社員でしたら上司が仕事中の行動を管理してくれますが、物理的に上司も管理しきる事ができないため、MRは時間の使い方を自分で組み立てなければならないのです。このためMRとして活躍していく人材には、高いレベルで自分を管理するセルフマネジメント能力や責任感が求められます。

コンプライアンス的な責任感

またMRに大切な責任感には他にもいくつか意味があり、その一つがコンプライアンス的な観点からの責任感です。長年日本の医薬品業界ではMRによる医師の過剰接待が問題視されてきました。それというのも実は医薬品によってその効果が著しく違うというケースが少ないため、医師がその病院で利用する医薬品を決める際に客観的な決定打に欠ける場合が多いのです。そのため、医師がどの医薬品を導入するかを決める際の判断基準として、MRが自分に対してどんな提案や営業をしてくれるのかはとても大きな要素になります。
そしてこれはMRが医師に対して真っ当な提案や営業を行う分には問題ないのですが、医師も人間なためMRとの個人的な付き合いや接待で受けた恩などに流されやすいため、MR側としては医師に対して豪華な食事の提供や、出張に合わせて旅行をアテンドするなどかなり高額な予算を使った接待を行ってきたのです。そしてそれがあまりにも行き過ぎていると多方面から批判を浴び、現在はMRから医師への過剰接待は禁止となりました。当然MRには規制を尊守する責任感が求められます。

向上心や学習意欲も大切

上記のような背景でMRから医師への過剰接待が禁止になったので、今のMRは医薬品の薬効に関する知識や最新の治療トレンドについて詳しくなり、医師の医療行為をどれだけサポートできるのかという真っ当な実力勝負の営業活動をしています。ただこうした営業活動にはMRに深い知識とそれを得るための学習が必要になりますので、仕事に対する高い責任感を持って熱心に勉強できるかが、MRとして活躍できるかどうかを大きく分けるのです。

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